eblook

for eblook 1.5

Keisuke Nishida
Kazuhiko
Satomi
NEMOTO Takashi


Copyright (C) 1997,1998,1999,2000 Keisuke Nishida Copyright (C) 2000,2001 Satomi Copyright (C) 2000,2001 Kazuhiko Copyright (C) 2000,2001 NEMOTO Takashi

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はじめに

eblook は、EB ライブラリ(See Info file `eb', node `Top')を用いた対話型の電子辞書 検索コマンドです。簡単な設定とコマンドにより CD-ROM 書籍が利用出来ます。

eblook は手軽さを重視したツールであり、ユーザ・アクセスの管理など、ネッ トワーク利用を想定した複雑な機能は提供していません。そのような目的には NDTPD というソフトウェアが公開されていますので、そちらが利用になれます。 (http://www.sra.co.jp/people/m-kasahr/ndtpd/ を参照)

eblook はフリー・ソフトウェアです。あなたは、Free Software Foundation が 公表した GNU General Public License (GNU 一般公有使用許諾)のバージョン 2 あるいはそれ以降の各バージョンの中からいずれかを選択し、そのバージョンが 定める条項に従って eblook を再配布または変更することができます。

eblook は有用とは思いますが、頒布にあたっては、市場性及び特定目的適合性 についての暗黙の保証を含めて、いかなる保証も行ないません。詳細については GNU General Public License をお読みください。

加えてあなたは、eblook と共に利用する CD-ROM 書籍の使用許諾も守らなけれ ばなりません。書籍の利用が許されない場合にも eblook を用いることは可能か もしれませんが、そのような場合に eblook を用いてはなりません。

大まかな使い方

辞書のあるディレクトリを引数に、eblook をシェルから起動します。

% eblook /cdrom
eblook> -!-

help でコマンド一覧を表示します。

eblook> help
 book [directory [appendix]] - Set a book directory
 info                   - Show information of the selected book
 list                   - List all dictionaries in the selected book
 select subbook         - Select a subbook
 subinfo                - Show information of the selected subbook
 copyright              - Show copyright of the selected subbook
 menu                   - Show the menu of the selected subbook
 search pattern [offset] - Search for a word
 content entry [offset] - Display contents of entry
 dump entry [offset]    - Display dumps of entry
 font [id]              - Display the bitmap of gaiji
 show [variable]        - Show the value of variables
 set variable value     - Set a variable to the value
 unset variable...      - Unset variables
 candidate              - Show candidates for multi search
 label [id]             - Show label for multi search
 help                   - Show this message
 quit                   - Quit program

list で辞書一覧を表示します。

eblook> list
 1. KOKUGO      国語辞典
 2. EIWA        英和辞典

select で辞書選択し、search で検索します。

eblook> select 2
eblook> search test
 1. 1234:567    test

content で内容表示します。

eblook> content 1
test /t'est/
[名] 1. 試験...

quit で終了します。

eblook> quit
% -!-

eblook の起動

eblook の起動方法は次の通りです。

eblook [option...] [book-directory [appendix-directory]]

book-directory は書籍のあるディレクトリを指定します。省略された場 合は、カレントディレクトリが書籍ディレクトリとみなされます。

appendix-directory には Appendix のあるディレクトリを指定します。 省略された場合は、Appendix は利用されません。(see section 外字の置換)

これら引数の値は、どちらも起動後に変更することも出来ます。 see section 辞書の選択と設定 を参照して下さい。

オプションには次のものが有効です。

-e
--encoding=NAME
文字コードを指定します (euc, sjis, jis, utf8)。デフォルトは自動判別。
-q
--no-init-file
初期化ファイル(`~/.eblookrc')を読み込みません。
-v
--version
コマンドのバージョン番号を表示して終了します。
-h
--help
コマンドのヘルプを表示して終了します。

辞書の選択と設定

コマンド book により書籍のあるディレクトリを指定します。

eblook> book `/cdrom' `/usr/local/share/eb/appendix'

書籍ディレクトリに含まれる辞書の一覧は、コマンド list により見る ことが出来ます。

eblook> list
 1. KOKUGO	国語辞典
 2. EIWA	英和辞典

辞書はコマンド select によりセットすることで、利用可能となります。

eblook> select 1

あるいは

eblook> select KOKUGO

コマンド set により、オプションの設定が可能です。例えばプロンプト を変更するには、次のようにします。

eblook> set prompt "eblook$ "
eblook$ -!-

上のように、引数に空白を含める必要がある場合には、値をダブルクオートで引 用出来ます。

変数の値はコマンド show で見ることが出来ます。 値を無効にするにはコマンド unset があります。

eblook$ show prompt
eblook$ 
eblook$ unset prompt
eblook> show
version eblook 1.0
max-text        8192
max-hits        256
eblook> -!-

設定・参照できる変数の一覧は section 変数一覧 を参照して下さい。

検索方法

このバージョンの eblook では、検索方式として単語検索(前方一致検索、後方 一致検索、完全一致検索)と、メニューの参照を行なうことが出来ます。また、 外字を扱うことも出来ます。

単語検索

コマンド search で検索を行ないます。あらかじめ辞書を選択しておく 必要があります。

eblook> select EIWA
eblook> search test
 1. 1234:567    test

変数 search-method により検索方式を変更出来ます。現在、次のものを 指定可能です。(デフォルトは glob)

word
前方一致検索を行なう。
endword
後方一致検索を行なう。
exact
完全一致検索を行なう。
glob
文字列を見て、検索法を決定します。検索語が `foo*' ならば `foo' をキーに前方一致検索を行ない、同様に `*foo' ならば後方一致検索を行 い、`foo' ならば完全一致検索を行ないます。
eblook> show search-method
glob
eblook> search test*
 1. 1234:567    test
 2. 2345:678    testament
eblook> search *test
 1. 1234:567    test
 2. 3456:789    latest
eblook> set search-method word
eblook> search test
 1. 1234:567    test
 2. 2345:678    testament

出力の一桁目はエントリの番号で、二桁目はエントリを決定するためのコード番 号です。いずれかをコマンド content に渡すことで、エントリの内容が 出力されます。(see section 内容表示)

変数 max-hits により、出力する見出し語の数を制限出来ます。

eblook> show max-hits
256
eblook> search t*
 1. 1263:25     t
 2. 1273:832    t.
 :
255. 1312:684   tabu
<more point=256>

続きを表示するには、search に第二引数を渡して下さい。

eblook> search t* 256
256. 1336:32    tantalization
257. 1358:2ab   tantalize
 :
511. 14c6:233   tea shop
<more point=512>

引数や max-hits に 0 を指定すると、全てのエントリが出力されます。

条件検索

コマンド search で検索を行なう際に `=foo' のように `=' に続いてキーワードを指定すれば条件検索を行います。`=foo=bar' のよう に、複数のキーワードを指定することができます。

eblook> search =日本=茶
 1. 54a:56a     うぐいす【鶯】ウグヒス
 2. 658:2ce     うれしの‐ちゃ【嬉野茶】
 3. 129e:256    グリーン‐ティー【green tea】
 4. 1577:166    こう‐ちゃ【紅茶】
 5. 28a9:bc     ちゃのほん【茶の本】
 6. 3323:29e    はぶ‐そう【波布草】‥サウ

(以上、例は広辞苑第四版より)

複合検索

コマンド label により、その辞書での複合検索のラベルを全て表示しま す。番号は複合検索 ID です。label 1 とすると、その番号の ID のラ ベルのみ出力します。

eblook> label
 1. 地域(→参照):時代(→参照):キーワード:キーワード:
 2. 国名・地域名(→参照):地方名(→参照):キーワード:キーワード:
 3. 国名など(→参照):ジャンル(→参照):キーワード:キーワード:
 4. 季節(→参照):ジャンル(→参照):キーワード:キーワード:

コマンド candidate により、複合検索のキーワードの候補を表示します。

eblook> candidate
  multi search 1:
    label 1: 地域(→参照)
      candidates: exist
*日本
*中国・朝鮮
*ヨーロッパ・北アメリカ
*インド・アフリカなど
    label 2: 時代(→参照)
      candidates: exist
*近代以前
*近現代
    label 3: キーワード
      candidates: not-exist
    label 4: キーワード
      candidates: not-exist
  multi search 2:
    label 1: 国名・地域名(→参照)
      candidates: exist
(後略)

実際に複合検索を実行するには、コマンド search で検索を行なう際に `:中国・朝鮮:近現代:ひと:*:' のように `:' で区切ってキーワード を指定します。

eblook> search :中国・朝鮮:近現代:ひと:*:
 1. 2fa:36      いく‐たつふ【郁達夫】
 2. 759:636     えん‐せいがい【袁世凱】<gaiji=ha169>ン‥
 3. 7a7:25e     おう‐こくい【王国維】ワウ‥<gaiji=ha168>
 4. 7ba:6ec     おう‐ちょうめい【汪兆銘】ワウテウ‥
(後略)

コマンド set multi-search-id 2 などとすると、複合検索 ID を切り替 えられます。

eblook> set multi-search-id 2
eblook> label 2
 2. 国名・地域名(→参照):地方名(→参照):キーワード:キーワード:
eblook> search :日本:北海道:*:*:
 1. 7b:3ac      あかびら【赤平】
 2. 8b:218      あかん【阿寒】
 3. 8b:31a      あかん‐こ【阿寒湖】
 4. 8b:434      あかん‐こくりつこうえん【阿寒国立公園】‥<gaiji=ha169>ン
(後略)

(以上、例は広辞苑第四版より)

メニュー

辞書がメニューを持つ場合、コマンド menu により出力されます。

eblook> menu
<reference>『国語辞典』について</reference=2a18:2>
<reference>凡例</reference=2a18:202>

角括弧に挟まれたタグのうち、`/reference=' となっている部分の後ろが メニューの内容となっており、コマンド content によりその先を得るこ とが出来ます。(see section 内容表示)

eblook> content 2a18:2
『国語辞典 第一版』 

19xx年xx月xx日 第一版第一刷

内容表示

コマンド content により、エントリの内容が得られます。

eblook> search test
 1. 1234:567    test
 2. 2345:678    testament
eblook> content 1
test /t'est/
[名] 1. 試験...
eblook> content 1234:567
test /t'est/
[名] 1. 試験...

内容がリファレンスを持つ場合、その部分が先のメニューと同じタグによって表 わされます。

search と同様に、出力するバイト数を変数 max-text によって 調節出来ます。続きを得る場合には content に第二引数を与えるのも同 じです。0 を与えると最後まで出力されます。

出力内容の外字部分を通常のテキスト文字で置き換えることも可能です。 section 外字の置換 を参照して下さい。

外字の置換

EB ライブラリの機能として、CD-ROM 書籍に含まれる特殊な外字を通常の文字列 で置き換えることが可能です。何もしないと、外字は次のように表わされます。

eblook> content 1234:567
test /t<gaiji=ha123>st/
<gaiji=ha234><gaiji=ha345> 1. 試験...

これを適当な文字列で置き換えるには、NDTPD と共に配布されている Appendix パッケージを入手し、適当なディレクトリに展開して下さい。

NDTPD
http://www.sra.co.jp/people/m-kasahr/ndtpd/

eblook コマンドの第二引数か、もしくはコマンド book の第二引数とし てディレクトリを指定すれば、外字の置き換えが行なわれます。 (see section eblook の起動)

eblook> book /cdrom /usr/local/share/eb/appendix
eblook> content 1234:567
test /t'est/
[名] 1. 試験...
eblook> -!-

あるいはコマンド font により、外字のデータを xbm 形式のビットマッ プデータとして得ることも出来ます。

eblook> font ha123
#define default_width    8
#define default_height   16
static unsigned char default_bits[] = {
   0x00, 0x30, 0x18, 0x00, 0x00, 0x00, 0x18, 0x24, 0x42, 0x7e, 0x02, 0x02,
   0x44, 0x38, 0x00, 0x00};

各種情報

コマンド info により、書籍の情報が出力されます。

eblook> info
 disc type: EPWING
 character code: JIS X 0208
 the number of dictionaries: 4

コマンド subinfo により、選択している辞書の情報が出力されます。

eblook> select EIWA
eblook> subinfo
 title: 英和辞典
 directory: EIWA
 search methods: word endword exact menu
 font sizes: 16 24 30 48
 widw font characters: 0xa123 -- 0xa456

コマンド copyright により、選択している辞書の著作権情報が出力され ます。

eblook> copyright
「英和辞典」 Copyright (C) 1998 Keisuke Nishida

コマンド help により、コマンドの一覧が出力されます。

コマンド一覧

book [directory [appendix]]
辞書を選択します。第一引数には書籍のあるディレクトリ、第二引数には Appendix のあるディレクトリを指定します。全て省略した場合には、現在の設 定が表示されます。
info
選択されている書籍に関する情報を出力します。
list
選択されている書籍の辞書一覧を出力します。
select dictionary
辞書を選択します。設定すべき値は、list コマンドの出力から得られます。
subinfo
選択されている辞書に関する情報を出力します。
copyright
選択されている辞書の著作権情報を出力します。
menu
選択されている辞書がメニューを持つ場合、それを出力します。(see section メニュー)
search pattern [offset]
検索を行ないます。第二引数は出力の開始位置。(see section 検索方法)
content entry [offset]
エントリの内容を出力します。第二引数は出力の開始位置。(see section 内容表示)
font [id]
外字データを xbm 形式で出力します。引数を省略した場合、全ての外字の情報を 出力します。外字の高さは変数 font により与えられます。
show [variable]
変数の値を出力します。引数を省略した場合、すべての変数の一覧が出力されます。
set variable value
変数の値をセットします。
unset varialbe...
変数をクリアします。
help
コマンドの一覧を出力します。
quit
eblook を終了します。

変数一覧

search-method
search コマンドの検索法。exact, word, endword, glob のいずれかが可能。デフォルトは glob
max-hits
search コマンドが出力する最大の項目数。0 のとき無制限。 デフォルトは 256。
max-text
content コマンドが出力する表示バイト数(の目安)。0 のとき無制限。 デフォルトは 8192。
font
外字データの高さ。デフォルトは 16。
kanji-code
入出力の文字コード。設定出来る値は jis, sjis, euc, utf8, auto のいずれか (大文字、小文字の区別なし)。
stop-code
テキスト出力の終了コード。"set stop-code 0x1f090000" のように指定します。 辞書によっては、これを指定しないと出力が適切な個所で終了しません。
prompt
プロンプト。デフォルトは "eblook> "。
version
eblook のバージョン番号。

最新情報の入手

最新の eblook は,次のところから入手可能です。

eblook
http://openlab.ring.gr.jp/edict/eblook/

eblook に関する情報交換は、edict や NDTPD のメーリングリストにて行われ ています。

edict
http://openlab.ring.gr.jp/edict/
NDTPD
http://www.sra.co.jp/people/m-kasahr/ndtpd/

eblook は edict 開発チーム (edict@ring.gr.jp) により管理さ れています。eblook に関する問い合わせはこちらまでお願いします。


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