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eblook は、EB ライブラリ(See Info file `eb', node `Top')を用いた対話型の電子辞書 検索コマンドです。簡単な設定とコマンドにより CD-ROM 書籍が利用出来ます。
eblook は手軽さを重視したツールであり、ユーザ・アクセスの管理など、ネッ トワーク利用を想定した複雑な機能は提供していません。そのような目的には NDTPD というソフトウェアが公開されていますので、そちらが利用になれます。 (http://www.sra.co.jp/people/m-kasahr/ndtpd/ を参照)
eblook はフリー・ソフトウェアです。あなたは、Free Software Foundation が 公表した GNU General Public License (GNU 一般公有使用許諾)のバージョン 2 あるいはそれ以降の各バージョンの中からいずれかを選択し、そのバージョンが 定める条項に従って eblook を再配布または変更することができます。
eblook は有用とは思いますが、頒布にあたっては、市場性及び特定目的適合性 についての暗黙の保証を含めて、いかなる保証も行ないません。詳細については GNU General Public License をお読みください。
加えてあなたは、eblook と共に利用する CD-ROM 書籍の使用許諾も守らなけれ ばなりません。書籍の利用が許されない場合にも eblook を用いることは可能か もしれませんが、そのような場合に eblook を用いてはなりません。
辞書のあるディレクトリを引数に、eblook をシェルから起動します。
% eblook /cdrom eblook> -!-
help
でコマンド一覧を表示します。
eblook> help book [directory [appendix]] - Set a book directory info - Show information of the selected book list - List all dictionaries in the selected book select subbook - Select a subbook subinfo - Show information of the selected subbook copyright - Show copyright of the selected subbook menu - Show the menu of the selected subbook search pattern [offset] - Search for a word content entry [offset] - Display contents of entry dump entry [offset] - Display dumps of entry font [id] - Display the bitmap of gaiji show [variable] - Show the value of variables set variable value - Set a variable to the value unset variable... - Unset variables candidate - Show candidates for multi search label [id] - Show label for multi search help - Show this message quit - Quit program
list
で辞書一覧を表示します。
eblook> list 1. KOKUGO 国語辞典 2. EIWA 英和辞典
select
で辞書選択し、search
で検索します。
eblook> select 2 eblook> search test 1. 1234:567 test
content
で内容表示します。
eblook> content 1 test /t'est/ [名] 1. 試験...
quit
で終了します。
eblook> quit % -!-
eblook の起動方法は次の通りです。
eblook [option...] [book-directory [appendix-directory]]
book-directory は書籍のあるディレクトリを指定します。省略された場 合は、カレントディレクトリが書籍ディレクトリとみなされます。
appendix-directory には Appendix のあるディレクトリを指定します。 省略された場合は、Appendix は利用されません。(see section 外字の置換)
これら引数の値は、どちらも起動後に変更することも出来ます。 see section 辞書の選択と設定 を参照して下さい。
オプションには次のものが有効です。
-e
--encoding=NAME
-q
--no-init-file
-v
--version
-h
--help
コマンド book
により書籍のあるディレクトリを指定します。
eblook> book `/cdrom' `/usr/local/share/eb/appendix'
書籍ディレクトリに含まれる辞書の一覧は、コマンド list
により見る
ことが出来ます。
eblook> list 1. KOKUGO 国語辞典 2. EIWA 英和辞典
辞書はコマンド select
によりセットすることで、利用可能となります。
eblook> select 1
あるいは
eblook> select KOKUGO
コマンド set
により、オプションの設定が可能です。例えばプロンプト
を変更するには、次のようにします。
eblook> set prompt "eblook$ " eblook$ -!-
上のように、引数に空白を含める必要がある場合には、値をダブルクオートで引 用出来ます。
変数の値はコマンド show
で見ることが出来ます。
値を無効にするにはコマンド unset
があります。
eblook$ show prompt eblook$ eblook$ unset prompt eblook> show version eblook 1.0 max-text 8192 max-hits 256 eblook> -!-
設定・参照できる変数の一覧は section 変数一覧 を参照して下さい。
このバージョンの eblook では、検索方式として単語検索(前方一致検索、後方 一致検索、完全一致検索)と、メニューの参照を行なうことが出来ます。また、 外字を扱うことも出来ます。
コマンド search
で検索を行ないます。あらかじめ辞書を選択しておく
必要があります。
eblook> select EIWA eblook> search test 1. 1234:567 test
変数 search-method
により検索方式を変更出来ます。現在、次のものを
指定可能です。(デフォルトは glob
)
word
endword
exact
glob
eblook> show search-method glob eblook> search test* 1. 1234:567 test 2. 2345:678 testament eblook> search *test 1. 1234:567 test 2. 3456:789 latest eblook> set search-method word eblook> search test 1. 1234:567 test 2. 2345:678 testament
出力の一桁目はエントリの番号で、二桁目はエントリを決定するためのコード番
号です。いずれかをコマンド content
に渡すことで、エントリの内容が
出力されます。(see section 内容表示)
変数 max-hits
により、出力する見出し語の数を制限出来ます。
eblook> show max-hits 256 eblook> search t* 1. 1263:25 t 2. 1273:832 t. : 255. 1312:684 tabu <more point=256>
続きを表示するには、search
に第二引数を渡して下さい。
eblook> search t* 256 256. 1336:32 tantalization 257. 1358:2ab tantalize : 511. 14c6:233 tea shop <more point=512>
引数や max-hits
に 0 を指定すると、全てのエントリが出力されます。
コマンド search
で検索を行なう際に `=foo' のように `='
に続いてキーワードを指定すれば条件検索を行います。`=foo=bar' のよう
に、複数のキーワードを指定することができます。
eblook> search =日本=茶 1. 54a:56a うぐいす【鶯】ウグヒス 2. 658:2ce うれしの‐ちゃ【嬉野茶】 3. 129e:256 グリーン‐ティー【green tea】 4. 1577:166 こう‐ちゃ【紅茶】 5. 28a9:bc ちゃのほん【茶の本】 6. 3323:29e はぶ‐そう【波布草】‥サウ
(以上、例は広辞苑第四版より)
コマンド label
により、その辞書での複合検索のラベルを全て表示しま
す。番号は複合検索 ID です。label 1
とすると、その番号の ID のラ
ベルのみ出力します。
eblook> label 1. 地域(→参照):時代(→参照):キーワード:キーワード: 2. 国名・地域名(→参照):地方名(→参照):キーワード:キーワード: 3. 国名など(→参照):ジャンル(→参照):キーワード:キーワード: 4. 季節(→参照):ジャンル(→参照):キーワード:キーワード:
コマンド candidate
により、複合検索のキーワードの候補を表示します。
eblook> candidate multi search 1: label 1: 地域(→参照) candidates: exist *日本 *中国・朝鮮 *ヨーロッパ・北アメリカ *インド・アフリカなど label 2: 時代(→参照) candidates: exist *近代以前 *近現代 label 3: キーワード candidates: not-exist label 4: キーワード candidates: not-exist multi search 2: label 1: 国名・地域名(→参照) candidates: exist (後略)
実際に複合検索を実行するには、コマンド search
で検索を行なう際に
`:中国・朝鮮:近現代:ひと:*:' のように `:' で区切ってキーワード
を指定します。
eblook> search :中国・朝鮮:近現代:ひと:*: 1. 2fa:36 いく‐たつふ【郁達夫】 2. 759:636 えん‐せいがい【袁世凱】<gaiji=ha169>ン‥ 3. 7a7:25e おう‐こくい【王国維】ワウ‥<gaiji=ha168> 4. 7ba:6ec おう‐ちょうめい【汪兆銘】ワウテウ‥ (後略)
コマンド set multi-search-id 2
などとすると、複合検索 ID を切り替
えられます。
eblook> set multi-search-id 2 eblook> label 2 2. 国名・地域名(→参照):地方名(→参照):キーワード:キーワード: eblook> search :日本:北海道:*:*: 1. 7b:3ac あかびら【赤平】 2. 8b:218 あかん【阿寒】 3. 8b:31a あかん‐こ【阿寒湖】 4. 8b:434 あかん‐こくりつこうえん【阿寒国立公園】‥<gaiji=ha169>ン (後略)
(以上、例は広辞苑第四版より)
辞書がメニューを持つ場合、コマンド menu
により出力されます。
eblook> menu <reference>『国語辞典』について</reference=2a18:2> <reference>凡例</reference=2a18:202>
角括弧に挟まれたタグのうち、`/reference=' となっている部分の後ろが
メニューの内容となっており、コマンド content
によりその先を得るこ
とが出来ます。(see section 内容表示)
eblook> content 2a18:2 『国語辞典 第一版』 19xx年xx月xx日 第一版第一刷
コマンド content
により、エントリの内容が得られます。
eblook> search test 1. 1234:567 test 2. 2345:678 testament eblook> content 1 test /t'est/ [名] 1. 試験... eblook> content 1234:567 test /t'est/ [名] 1. 試験...
内容がリファレンスを持つ場合、その部分が先のメニューと同じタグによって表 わされます。
search
と同様に、出力するバイト数を変数 max-text
によって
調節出来ます。続きを得る場合には content
に第二引数を与えるのも同
じです。0 を与えると最後まで出力されます。
出力内容の外字部分を通常のテキスト文字で置き換えることも可能です。 section 外字の置換 を参照して下さい。
EB ライブラリの機能として、CD-ROM 書籍に含まれる特殊な外字を通常の文字列 で置き換えることが可能です。何もしないと、外字は次のように表わされます。
eblook> content 1234:567 test /t<gaiji=ha123>st/ <gaiji=ha234><gaiji=ha345> 1. 試験...
これを適当な文字列で置き換えるには、NDTPD と共に配布されている Appendix パッケージを入手し、適当なディレクトリに展開して下さい。
eblook コマンドの第二引数か、もしくはコマンド book
の第二引数とし
てディレクトリを指定すれば、外字の置き換えが行なわれます。
(see section eblook の起動)
eblook> book /cdrom /usr/local/share/eb/appendix eblook> content 1234:567 test /t'est/ [名] 1. 試験... eblook> -!-
あるいはコマンド font
により、外字のデータを xbm 形式のビットマッ
プデータとして得ることも出来ます。
eblook> font ha123 #define default_width 8 #define default_height 16 static unsigned char default_bits[] = { 0x00, 0x30, 0x18, 0x00, 0x00, 0x00, 0x18, 0x24, 0x42, 0x7e, 0x02, 0x02, 0x44, 0x38, 0x00, 0x00};
コマンド info
により、書籍の情報が出力されます。
eblook> info disc type: EPWING character code: JIS X 0208 the number of dictionaries: 4
コマンド subinfo
により、選択している辞書の情報が出力されます。
eblook> select EIWA eblook> subinfo title: 英和辞典 directory: EIWA search methods: word endword exact menu font sizes: 16 24 30 48 widw font characters: 0xa123 -- 0xa456
コマンド copyright
により、選択している辞書の著作権情報が出力され
ます。
eblook> copyright 「英和辞典」 Copyright (C) 1998 Keisuke Nishida
コマンド help
により、コマンドの一覧が出力されます。
book [directory [appendix]]
info
list
select dictionary
list
コマンドの出力から得られます。
subinfo
copyright
menu
search pattern [offset]
content entry [offset]
font [id]
font
により与えられます。
show [variable]
set variable value
unset varialbe...
help
quit
search-method
search
コマンドの検索法。exact
, word
,
endword
, glob
のいずれかが可能。デフォルトは glob
。
max-hits
search
コマンドが出力する最大の項目数。0 のとき無制限。
デフォルトは 256。
max-text
content
コマンドが出力する表示バイト数(の目安)。0 のとき無制限。
デフォルトは 8192。
font
kanji-code
jis
, sjis
, euc
,
utf8
, auto
のいずれか (大文字、小文字の区別なし)。
stop-code
prompt
version
最新の eblook は,次のところから入手可能です。
eblook に関する情報交換は、edict や NDTPD のメーリングリストにて行われ ています。
eblook は edict 開発チーム (edict@ring.gr.jp) により管理さ れています。eblook に関する問い合わせはこちらまでお願いします。
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