Pburn  ...CD/DVD/Blu-ray 焼き込みソフト
Version 1.x.x 
Pburn 
GPL, Copyright 2007,2008 
Sigmund Berglund 


______________________________________________________________________________________________
目次

{1} PBURNに慣れる
{2} 使い倒す
{3} 好みの設定にする
{4} 潜在的な落とし穴


______________________________________________________________________________________________
{1} PBURNに慣れる

PburnはCD、DVD、Blu-rayディスクへの焼き込みをサポートしています。メディアのサイズはディスクの表面に印刷されています。この情報は焼く前に得られる貴重な情報です。普通はCDが700Mb、DVDが4.7Gb、Blu-rayが25Gbです。ですがこれにはバラつきがありますのできちんと調べてください。

ファイルやディレクトリを「ブラウズ」か「検索」のいずれかで焼き込みリストに追加します。前に保存した焼き込みリストを開くこともできますし、ファイル名を含めたテキストファイルをどれでもインポートすることができます。共通の音楽プレイリストもこれに含まれます。

焼き込みリストの項目を編集することもあるでしょう。- 各項目を取り消すこともリネームすることもできますし、新たなディレクトリに入れることもできます。これらの項目はシステムの実際のファイルへのリンクで、ソースを指し示していて、どのようにでも編集できます。

Pburnで焼き込みリストの内容を取り扱うには3つの方法があります。
1.焼き込みリストの内容のデータディスクを焼く。このディスクはPC、mp3プレーヤ、Divxプレーヤ互換です。
2.焼き込みリストにあるオーディオファイルからオーディオCDを焼く。普通のCDプレーヤで再生できます。
3.焼き込みリストにある一つの「*.iso」ファイルについてiso-イメージを焼く。iso-イメージとは光学ディスクに用いられる前段階のファイルシステムです。

焼き込みリストの項目についての操作に加え、コピーやディスク消去といった焼き込みツールもあります。コピーにあたっては、ドライブを2つ必要としないことを覚えておくといいでしょう。1つしか焼き込みのデバイスがないのであれば、Pburnはまずシステム上に元のディスクのiso-イメージを作り、その後このイメージを焼きます。

無理をして今すぐ焼く必要もありません。最終的な焼き込みのプロセスを実行することなく、焼き込む内容を保存しておく方法が2つあります。
1.焼き込みリストを「*.pbn」ファイルに保存できます。小さなファイルでデータについての情報のみが含まれます。Pburn以外のプログラムではこのファイルを利用できません。
2.完全な「iso9660」ファイルシステムで保存します。これには実際のデータが含まれ、時には巨大なファイルになります。この「*.iso」ファイルは他のたいていの焼き込みソフトと互換性を持っています。


______________________________________________________________________________________________
{2} 使い倒す

< MIMEについて >
ファイルの内容をチェックするにはダブルクリック。拡張子がRox MINE-typeで定義されていれば開きます。
これはツールメニューからも行えます。ですが、その場合は焼き込みリストで選択されているもののみで、ブラウズ/検索欄のものは開けません。

< オーディオについて >
Pburnはエンコーディングに「ffmpeg」を使い、「*.mp3, *.ogg, *.wma, *.wav」フォーマットをサポートしています。他のフォーマットには別のエンコーダが必要となります。
「*.ape」は「mac」が必要。
「*.flac」は「flac」が必要。
「*.mp4, *.m4a」は「faad2」が必要です。
こういった拡張エンコーダを使う場合、(音楽の)時間計算が正しく行われません。

< (プレイ)リストのインポート >
ファイル名のリストを含むテキストファイルをインポートします。
- 全ての行が「#」で無効化されます。プレイリストで一番多いメタ情報です。
- リスト内のファイル名にパスが無い場合、Pburnはインポートされたリストファイルへのパスを使います。
- オマケですが、Pburnは各曲に番号をつけます。オリジナルの順序を保つためです。

< ベリファイ(ディスクの検査) >
Pburnは2種類のベリファイを行えます:
1.「ディスクの品質を検査」(「ツール」メニュー)。C2エラーについてディスクをスキャンします。リーダはデータ内部でこれらの欠落部分を補間しようと試みますが、エラーが多すぎると読み込みの失敗を招きます。C2エラーは媒体の力学的なアンバランスの結果です。解決策は焼き込むスピードを控えることです。
2.「ファイルシステムを検査」(終了ダイアログ)。一時ストレージを使って焼く(off-the-fly)場合、焼き込まれたデータを一時ストレージのデータと突き合わせてチェックします。

< 上級 >
Pburnの目指すところは、便利なこと・不慣れなユーザにとっても使いやすいことです。オーバーバーニングやエル・トリートといった上級のオプションは表示してこそいませんが使用できます。焼き込みリストにファイルを追加して「焼く」ボタンを押した後で、選択ダイアログが「上級」タブを表示します。焼く前にここでコマンドを編集できます。Pburnは「mkisofs, cdrecord, growisofs, cdda2wav and cdrdao」のGUIです。これらについてのよいドキュメントはWeb上で見つけられます。

< パラメータについて >
ターミナルからPburnを実行する時のパラメータ。
「*.pbn」 - Pburnを*.pbnファイルと共にスタートします。
「-c」 - メディアを自動検出しません。マルチセッション設定はデフォルトで追加OKです。
「-d ディレクトリ名」 - Pburnのブラウザ欄を他のディレクトリでスタートさせます。
「-f」 - raw-burn-mode。/tmp/pburnの内容を焼き、常にシンボリックリンク先を有効にします。
「-h」 - ヘルプの表示。
「-i ファイル名」 - ファイル名の入ったリスト(テキストファイル)をインポート。「(プレイ)リストのインポート」を参照。
「-v」 - Pburnのバージョンを表示。


______________________________________________________________________________________________
{3} 好みの設定にする

選択ダイアログは「ファイル」メニューから「設定の変更」で開くことができます。ここでお好みの設定が可能です。「OK」ボタンを押すと変更が保存されます。各種設定が理解しづらい場合は、すぐ横にヘルプがあります。ダイアログのどのタブにも個別のインフォメーションボタンがついています。
Pburnはメイン画面の「焼く」ボタンを押した後にもこのダイアログを開きます。焼く前に設定を上書きできます。


{3.1} 全般

< 検索/MIMEについて >
Pburnは「Pfilesearch」をファイル検索のエンジンとして使用します。全ての検索用セッティングはPburn固有のものではなく、「Pfilesearch」を使う他のプログラムにも影響を及ぼします。

< 言語サポートについて >
「auto」にセットするとPburnはアクティブな言語を見つけ出すのに環境変数LANGを用います。当てはまる言語ファイルが無いときは、英語になります。


{3.2} 焼く

< マルチセッションについて >
一回焼き込み用のディスクに複数回焼き込めるようにします。CD-R・CD-RWのどちらであるかは関係ありません。同じセッティングを維持しておくのが各セッションにとっては一番です。さもないと焼いた後で大事な情報資産が動かない、ということになりかねません。追加で焼かないようにディスクを閉じるのはいつでも可能です。

< On-the-flyについて >
システムディスクの空きが小さすぎる時には「On-the-fly」(一時ストレージ不使用)で焼く必要が出てきます。時には速く焼ける場合もありますが、一時ストレージを使うほうが安全ですし、エラーも出にくいものです。その上、メディアの複数コピーの場合は一時ストレージを使ったほうがよほど速く済みます。もしシステムが読み込まれているなら(自由になるRAMが少ないなら)、「on-the-fly」で焼くのはトラブルの元になりかねません。負荷がかかりすぎたシステムを救うには、焼き込み速度を「遅い(low)」にセットしてみてください。オーディオCDの焼き込みでは、「*.wav」ファイルを焼くのに一時ストレージを必要としないかもしれませんが、「*.mp3」「*.ogg」ファイルなどを焼く前には一時ストレージへと変換する必要があります。


{3.3} ファイルシステム

< ISO9660について >
CDやDVDは「iso9660」というファイルシステムを使っています。これはLinuxやWindowsに関係ない互換のファイルシステムで、Rockridge拡張やJoliet拡張を選んでないときのベースとなります。

< Rockridge拡張/Joliet拡張について >
「Rockridge拡張/Joliet拡張」は、Linux/Windowsで長いファイル名(スペース可)を許可する特別の情報をiso9660ファイルシステムに与えます。


{3.4} 焼き込みに使うデバイス

< デバイスについて >
デフォルトでは、Pburnは焼くのに「/dev/cdrom」を使います。システムにもう一つドライブがある場合にはこの限りではありません。リストから選んでください。

< 焼くスピードについて >
出せる範囲の最大の速度で焼きますが、システムのためには常にこれが最善とは限りません。「auto」にセットしておくと、Pburnは焼きこみに使うデバイス/ディスク/システムそれぞれに合った作業速度の設定を試みます。


{3.5} オーディオ

< Disc-at-onceについて >
通常、Pburnは「Track-at-once(TAO)」方式を使います。これはトラックごとに焼いてゆき、そのためコンピュータのメモリを大量に用いることがありません。TAOは各トラック間に2秒の隙間を挟み込みます。これはこれで素晴らしいのですが、次のトラックにフェードインしている場合はそうとも言えません。この隙間がディスク上のバグのように感じられます。こういった隙間を防ぐため、「disc-at-once(DAO)」を代わりに使います。DAOがTAOよりも多くのメモリを必要とすることは覚えておいてください。粗悪なファームウェアや幾つかの焼き込みデバイスが原因となってTAO/DAO方式が受け付けられないこともあります。こういった時には「raw-mode」で焼かなければなりません。この方式は各曲の間に隙間を挟みません。

< Normalizeについて >
別々のソースから曲を引っ張ってきた時には、ボリュームレベルが一致しないことがあります。Pburnは全ての曲のボリュームレベルをチェックし、平均のレベルを使います。


{3.6} CD-テキスト

< CD-テキストについて >
「CD-テキスト」はオーディオCDに付加されている情報です。普通この中にはアーティスト名・曲名・アルバム名が含まれ、これらをサポートしているCDプレーヤに表示されます。全てのプレーヤがサポートしているわけではありませんし、全ての焼き込みデバイスがディスクへのCD-テキストの書き込みをサポートしているわけでもありません。 予期せぬ結果とならぬよう、CD-テキストでは特殊文字を避けてください。また、CD-テキストは「track-at-once (tao)」方式で焼くときには書き込まれません。TAOが選択されている場合、Pburnは自動的に「disc-at-once(dao)」を設定します。

< CDDBについて >
オーディオCDをコピーする時に、PburnはCD-テキスト情報をインターネット上で検索することができます。そのテキストはコピーを行う前に自由に変更できます。


{3.7} PUBLISH

< Publishについて >
データプロジェクトのいずれにもPublish情報が付加されます。ISO-イメージ・オーディオCDを焼く場合、またはコピーの類には付加されません。Publish情報で最もよく使うのは「Project label」です。ファイルマネージャがディスクを定義するのに、これをよく使います。


{3.8} 上級

< 焼き込みコマンドに手を加える >
焼き込みコマンドに手を加えるには「編集を許可する...」にチェックを入れます。別のタブでセッティングを変えているなら、前もってコマンドラインの変更を確認するために「コマンドを更新」ボタンを押してください。「焼く」ボタンを押した時に、Pburnはここに表示されているコマンドを実行します。「編集を許可する...」のチェックを外した時には元々のセッティング(「コマンドを更新」ボタンを押して表示される未編集の状態)を実行します。「-f」パラメータ(シンボリックリンク先を有効にする)がコマンド内になくてはならないのは、Pburnの「元々の性質」です。

< CPUの優先度について >
Pburnにはより多くの・または少ないシステムリソースを割り当てることができます。実際に動いている全てのオペレーションに影響が出るということは知っておいてください。変更を確認するには「コマンドを更新」ボタンを押してください。注意!優先度を低くすると、システム上でより多くのバッファアンダーランが発生します。こうなると使い物にならないディスクが出来上がります。


______________________________________________________________________________________________
{4} 潜在的な落とし穴

- 「4.7GBはあくまでもセールストークだ」ということを忘れないでください。即ち、10003というような使い道のない端数が付いているようなものであって、10243のようにちょっと嬉しくなるオマケが付いているのではありません。「本当の」GBに換算すると、一層DVD+-R[W]の容量はせいぜい4.4GBで、Blu-rayは23.3GBといったところです!
- 焼いている最中に他の大きなアプリケーション(又はpowersavingやスクリーンセーバ)を実行しないことをおすすめします。こういったことがPCに焼き込みのための時間を確保させず、バッファアンダーランを招くからです。使用不可能なディスクを作ってしまいます。速すぎる焼き込み速度・低いCPU優先度もバッファアンダーランの状況を作ります。
- 全てのレガシーなユニットが最初のセッション以外を「見る」ことができるわけではありません。幾つかのDVD-ROMユニットはDVD-Rのmultiborder再生機能を持ちますが、DVD+Rのマルチセッションをサポートしているのは少数派です。言い換えれば手持ちのDVD書き込みデバイスこそが、別々に追加していったデータにアクセス可能な、あなたの身の回りで唯一のユニットになるのです。
- RWメディアが耐えうる上書き回数は1000回程度です。
- RWメディアはプレーヤの全レンジで再生可能というわけではありません。
- オーディオCDはファイルシステムを持ちません。従ってマウントできず、読み込むだけです。
- 自動マウントが有効なときはフォーマットされたディスクが検出され、マウントされます。マウントされたディスクは焼けませんので、必ず自動マウントをオフにしてください。