GNUjdoc についてよくある質問

Version: 1.5
Last-Modified: Mar 09, 2001
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はじめに

これは、Ring Server参加者向け GNUjdoc の FAQ です。 最新版 HTML は ここ

このページは、GNUjdocの管理担当者が、 内容に誤りのないよう十分に気を配って書いてはいますが、 誤りがあるかもしれません。 誤りのないことは保証できませんので、 あらかじめご了承ください。

Ring Serverプロジェクトへの参加」のページの「基本条件」には、

政治活動、営業活動、宗教活動、その他公序良俗に反する活動は出来ません。
とあります。 「ではなぜ、GNUjdocプロジェクトがRingに参加できたのだろうか?」 と思う人がいるかもしれません。 このページは、そういう疑問をもった人のために書いたものです。


1. 「政治活動」に当たらない理由

  • 1.1) 「政治活動」にあたるものは何?
  • 1.2) 「政治活動」にあたらないものは何?
  • 1.3) 「意見の違い」を理由に排除はしない
  • 1.4) もし迷惑なコンテンツがあったら

    2. 「営業活動」に当たらない理由

  • 2.1) 営利目的での使用の奨励?
  • 2.2) 金銭の授受を伴うモノ
  • 2.3) 二次配布

  • 1. 「政治活動」に当たらない理由

    そもそも…

    まず、

    が別物であることは、言わずもがなでしょう。 各メンバーの評価されるべきは、 内面の意見、思想でではなく、 外に出た表現、行動、活動でだと思います。

    それから (政治だけの問題ではないし、程度の問題もありますが)、

    も別物であり、常にすべて一致しているわけではない、 ということもいえるでしょう。

    1.1) 「政治活動」にあたるものは何?

    Ring Serverプロジェクトを利用して、 特定の政党や党派のための活動をすること、 たとえば、

    をすることは「政治活動」にあたる、 と思われています。

    特定の政党や党派のための活動をもちこんだりすること、 たとえば、

    のような意見のあるコンテンツを作ったり置いたりすることは「政治活動」にあたる、 と思われているようです。

    もちろん 「ここであげたもの『だけ』が『政治活動』にあたる」のではない、 ということは当然です。

    1.2) 「政治活動」にあたらないものは何?

    そのうえで大事なことは、

    「政治的」コンテンツ自体や、 「政治的」コンテンツの作成は、 基本条件でいう「政治活動」ではない
    ということです。

    何をもって「政治的」かは、人によって違うことではあるのですが、 常識的には「国のおさめ方」「税金の使い方」「政府のあり方」は、 たいていの人が「政治的」だというでしょう。 Ringではそういった「政治的」コンテンツを排除するものではありません。 ですが、Ringはもともとそういった目的のためのものではないので、 そういう「政治的」コンテンツを作ったり置いたりするのがどれだけ効果的 (というか非効果的) か、どれだけ歓迎されるか (あるいはされないか)、 ということは考えた方がいいでしょう。

    何が「政治的」かは人によって違うので、 人によっては「自由なソフトウェアづくりを推進しよう」とか、 「ソフトウェア特許に反対しよう」とか (あるいはその逆のことであれ) ということは、「政治的」と思うかもしれませんし、 人によってはそう思わないかもしれません。 たとえば「利害の不一致あるところに政治力学あり」などと思っている人なら、 「世の中のたいていのことは『政治的』なのだ」というでしょう。 もしそうなると、 たいていのものはRingに置けないことになってしまい、 おそらく誰も嬉しくありません。

    1.3) 「意見の違い」を理由に排除はしない

    ここで 「自分と違う意見の参加メンバーがいたり、 そういう自分と違う意見のコンテンツがあると、 他の参加組織や参加メンバーの立場から困るのでは」 と思う人がもしいたら、 「RingServerプロジェクト全体の合意事項」は、 「参加メンバーの個人的意見や思想」 や 「Ringで作ったりミラーしたりしている個々のコンテンツ」 は常にすべて一致しているわけではない、 ということを思い出しましょう。

    たいていの場合、 「Ringでミラーをすること」や「Ringでコンテンツを作ること」は、 「RingServerプロジェクト全体の合意事項」のはずですが、 それは行為自体への合意です。 合意されてミラーされたり作られたりした個々のコンテンツは、 自動的に合意になるのではないのです。

    Ringはたくさんの参加メンバーや参加組織からなりたっています。 意見、思想、立場の違うメンバーや組織のあるのは当然のことです。 Ringでは (他のたいていの組織もそうでしょうが) 「意見が違うから」 という理由で排除をしたりはしません。

    排除の理由が何かあるとしたら、 それは何か「活動」や「行動」にもとめるべきでしょう。 「だれだれのこれこれこういう活動について、 私(や別のだれか)が不快に思っている」のであれば、 卒直にそう伝えましょう。 たとえば 「あなたが会議中にコップで水を撒くのを私は不快に思っている」 なら、まさにそのように言えばいいのです。 もっともこれは政治にかぎった話ではありません (そう思ったかもしれませんが:-)。

    1.4) もし迷惑なコンテンツがあったら

    ミラーしている側や作っている側の自主的に判断したときには、 プロジェクトにたいして何らかの相談なり問題提起をすることが期待されています。 GNUjdocもそれを前提に参加しているわけです。

    それでも (あるいは当事者の意図してさえいないうちに)、 迷惑なコンテンツ (たとえば「だれそれを傷つける」) とか ルール違反のコンテンツ (たとえば「コンテンツガイドラインに反する」) とかというものができないともかぎりません。 そのようなコンテンツは当然ない方がよいので、 そういうコンテンツがあることを指摘するべきでしょう (作る側はそれを前提にはしないでしょうが)。

    2. 「営業活動」に当たらない理由

    ここでは、 GNUjdocプロジェクトの活動がRingでいう「営業活動」に当たらない理由、 について書きます。

    まず指摘しておかなければいけなのは、 Ringからの一次配布は 「非営利用途には無償で利用可能な状態」 であることが条件であることと、 GNUjdocは誰のどんな用途にたいしても、 利用にたいする対価はとらないこと、 利用者の通信そのものにかかるコストは、 利用者と通信サービスの業者との間のもので、 GNUjdocとは無関係であること、 それをのぞけば一次配布は無償です。

    2.1) 営利目的での使用の奨励?

    GNUjdocプロジェクトの成果物、もっと一般にGNUプロジェクトの成果物は、 確かに営利目的での使用が奨励されてもいます。 正確にいえば、目的を問わずにどんな使用も奨励されているといえるでしょう。 GNUプロジェクトでの配布の方針であるコピーレフト(copyleft)で中心になるのは、 自由の制限をどう禁止するかであり、 使用目的を問うてそれを推奨したり逆に制限をかけたりすることなどではありません。

    2.2) 金銭の授受を伴うモノ

    GNUプロジェクトのうち、Free Software Foundation (FSF) が自前で出しているコンテンツには、 FSFの(有償で)販売しているCDROMとかの媒体や、 書籍にかんするものがあるかもしれません。 またFSFは(金銭による)寄付も受け付けています。 GNUプロジェクト的には、FSF自体の他、 FSFに公式に認められた個人や団体の下位プロジェクトもあるのですが、 FSFは主催者である以上、 FSFのプロジェクトは一部分とはいえ、それなりに大きい部分ではあります。

    FSF自体は、慈善(チャリティー)事業の(もちろん米国の)財団法人ですが、 FSFに公式に認められたプロジェクトの管理者で、 営利企業でもある団体が、ありえます(あるかどうかは未確認です)。

    いずれにしろこのことが直接、 GNUjdocプロジェクト自体に金銭の授受があることを意味するものではありません。

    2.3) 二次配布

    Ringでいう 「非営利用途には無償で利用可能な状態」は、 二次配布も規定の対象にしているのでしょうか?

    つまり、 第三者から別な第三者への再配布にあたっては、 非営利用途であっても有償で構わない、 というのを明記することを許可するかどうか、 ということです。

    ここでは 「何をすることにたいして無償か有償か」 が大事です。 GNUプロジェクトでの配布の方針であるコピーレフトでは、 「配布」すること自体が有償である場合をあからさまに認めています。 「第三者から別な第三者への再配布にあたっては、 非営利用途であっても有償で構わない、 というのを明記」してあるわけです。 それにもかかわらず、 GNUプロジェクトの成果物がRingでミラーされているのはなぜでしょう。 使うことが自由で無償であるからなのではないでしょうか。 他人が作ったもののミラーはよいが、 自分で作るのは同じ条件でもダメ、というのは変な話です。

    メンバーの中には、 この問題について 「これは率直に言ってわかりません」 と言う人もあるのですが、 事実上みとめられているのではないでしょうか。


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